葱坊主の行列が、山の畠みちをぞろりぞろりと
「みなさん、おそろいでどちらへ。」
とたずねましたら、先頭に立った大坊主が、
「わしらはこれからお
と
「
とたずねましたら、
「ハイ、むこうのお山のむじな
と大坊主は
「むじなが死んだって、それはいつのことなんです。」
「それは三年前の三月のこと、
「お
うしろについた小坊主は、そりかえって
「ああ、くたびれた。ここらで一休み。」
「誰だ。ひとの頭へなんぞとまる
大坊主はどなりました。
「あら、ごめんなさい。」
蝶々はいそいで、小坊主の頭へとびうつりました。それからまた次の小坊主の頭へうつりました。また次の頭へうつりました。
「みなさんは
「七百五十三人です。」
「まあそれは大そうだこと、一々とまりきれやしない。」
蝶々はひらり身をかわして、遠くの方へ飛んで行ってしまいました。
「誰だい、
「うらぎり者。」
などという声があちこちで起こりました。葱坊主の行列が、ごたごたくずれ出しましたとき、
「こら。」
先頭の大坊主が、
夕立がザアッと降ってきました。
「
大坊主は
夕立がだんだん小降りになって、空へうつくしい
「はて何んじゃろうな。」
大坊主はびっくりした顔つきでした。七百五十三人の小坊主中坊主たちも、あっけにとられて見ていました。
「あれは
と教えてやりますと、大坊主は手を打って、
「じゃ、わしらはそのお酒盛に呼ばれようではないか。」
といいました。
「お葬いの方はどうなさる。」
とたずねますと、
「そんなことは来年にせい。」
大坊主は平気な顔でいいました。